研究課題/領域番号 |
03610236
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
英語・英文学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
玉泉 八州男 東京工業大学, 工学部, 教授 (80016360)
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研究分担者 |
野崎 睦美 東京工業大学, 工学部, 教授 (70016632)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1993年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 優美さの時代としてのルネサンス / エリザベス朝演劇の行き詰まり / 都会派の劇作家の涎先 / 閉塞的時代に適したドラマワルギー / ウェル・メイド劇の嚆失 / 17世紀初頭における劇の変質 / 韜晦癖に都合のよいドラマツルギー / 宮廷悪批判としての絵空事の世界 / 処方箋なき都合悪の提示 / 知的遊戯がもった意外な実用性 / 少年劇団の再登場 / 意外性のドラマツルギー / ロマンティック系劇の反措定 / ジェイムズ朝宮処美学 / 不透明な時代風潮の影響 / 参加の劇からの変作 / デコ-ラム欠如としての悲喜劇 / 宗教劇の普遍的形態 / 「雑種」的性格のもつ娯楽性 / 古典と大陸への目配り / 洗練さの代名詞としての悲喜劇 |
研究概要 |
悲喜劇とは、悲劇的展開をみせながらも、結末は喜劇で終了劇をいう。理論的にいえば、これは演劇の堕落以外の何ものでもない。それがルネサンスで持て映されたについては、やはり過度を嫌い、優美さを好む時代の趨勢と少なからず関係があったかもしれない。しかも、それが悲劇と喜劇双方の良い面をすべて備え、悪い面は排除しているという言説も、その採用に向けて大いにプラスに働いたことだろう。 イタリアでガリ-ニらによって開花したこのジャンルは、しかしながら、イギリスへはなかなか伝わってこなかった。勿論、『デスモンとピティアス』のような劇は1560年代からみられたが、これは大陸の新形式の意識的模倣とはいいがたい。むしろ、道徳劇を代表とする宗教劇の基本構造をただ踏襲しただけ、といった方が正確だろう。そして、イギリス・ルネサンスはそれを啓蒙したところに開花してくるとのだったのである。 大陸の悲喜劇は16世紀末、大学才人やシェイクスピアについで、ジョンソンらの第三のグループが登場する頃から、イギリスでは本格的関心の対象となる。演劇が人間の心の秘密を一応描き尽くしたのに応じて、都会派の劇作家たちが形式の目新しさを求め始めた時、それは問題とされたのである。時代が次第に閉塞的になり、劇作家が嘲晦気味に自己主張するのにこの形式が向いていた点も、決して無視できないだろう。即ち、これは時代に最も適した形式だったのであり、最良の教育手段でもあったのである。 ボ-モント・フレッチャーで頂点に達するイギリス悲喜劇は晩年のシェイクスピアに多大な影響を与えるとともに、その後のイギリス演劇の風土を決定的に規制してゆくことともある。いわゆるウェルメイド劇というイギリス演劇の正統は、これを嚆失い涎先するからである。
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