研究課題/領域番号 |
03610241
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
英語・英文学
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
中島 平三 東京都立大学, 人文学部, 教授 (10086168)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1991年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 束縛経路理論 / 一般束縛理論 / 副詞 / 否定辞 / binding / path theory / adverbials / transportability |
研究概要 |
1.副詞に関する諸相を束縛経路理論で取り扱い、とりわけ副塩の移動の可能性が同理論の一モジュ-ルである一般束縛理論で説明できることを明らかにした。これは従来束縛理論が専ら名詞句のような指示的要素のみに関与すると考えられていたのに対し、副詞のような非指示的な要素にも有効であることを証明した点に大きな意義がある。また発展途上にある束縛経路理論の射程を拡張する上でも大きな進展を遂げた。 2.副詞の移動の可能性は、文の中に含まれる動詞や助動詞の種類、否定辞の有無などによって複雑に相違してくる。こうした問題に対応するために、副詞や、助動詞、否定辞が現われる構造上の位置(句構造標識)を明らかにすることに努めた。助動詞および否定辞に関しては、動詞の一種であるという主張を展開した。 3.副詞の移動の可能性は、それが単純形であるか、疑問詞形であるか、強勢形(話題化要素)であるか、などといった形態の違いによって相違してくる。これらに関しては、一般束縛原理の補助概念である「大主語」の選択が、移動の対象となる副詞の種類によって一定の範囲内で変化すると仮定することによって、対応できることを明らかにした。これは一般束縛原理を精密化する上で大きな意義がある。 以上の点を中心にして、本研究の成果を“Transprotability,Scope Ambiguity of Adverbials and the Generalized Binding Theory"というタイトルの論文にまとめ、イギリスの専門誌Journal of Linguistics(英国言語学会誌)に投稿し、受理・掲載された。
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