研究課題/領域番号 |
03620031
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
有賀 弘 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (50013008)
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研究分担者 |
平島 健司 東京大学, 社会科学研究所, 助教授 (40156659)
馬場 康雄 東京大学, 法学部, 教授 (40013031)
平石 直昭 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (20013013)
井出 嘉憲 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (00013003)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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キーワード | 国民国家 / 民主化 / 工業化 |
研究概要 |
本研究のねらいは、19世紀後半における三つの事例を素材として。政治的マクロな存在としての国家機構組織が市民社会と市場経済との連関においてどのようにして形成されたかを明らかにしようとする点にあった。日本・ドイツ・イタリアの事例が選ばれたのは、ファシズム体制の瓦解の後に形成された政治経済体制がいずれも共通して高い経済的パフォ-マンスを示したからであった。 しかし、研究の結果明らかになったことは、19世紀後半の国民国家形成期において、それぞれの国が示した問題解決の多様性であった。政治社会に対する国家の浸透度、国家行政の集権/分権の度合、組織利益との提携関係のあり方などの点において三つの国が見せた差異は著しい。19世紀後半に現れたこのような相違を説明するために、研究の歴史的射程を19世紀の初頭にまで遡らせ、ヨ-ロッパにおいて近代的官僚制と市民社会とがそれぞれの国でどのように形成され初めたか、という点をまず明らかせねばならないことが確認された。 少なくともヨ-ロッパ諸国において、19世紀以降国家官僚制・政党・利益団体が、民主化と工業化の過程でどのように相互関係を結んでいったのか、という観点から幾つかの作業仮説が考察された。明治維新以降の極東において急速な軍事的拡張と工業化とをとげた日本については別個の考察が必要であり、ヨ-ロッパの経験をも引照しつつ一般的な仮説を講築する点は将来の課題として残った。
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