研究課題/領域番号 |
03630041
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済事情・政策学
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研究機関 | 阪南大学 |
研究代表者 |
青木 郁夫 阪南大学, 経済学部, 助教授 (80184026)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 医療利用組合 / 協同組合 / 地域の保健力 / 産業組合 |
研究概要 |
今年度の研究は初期医療組合から広区単営組合への協同組合による医療事業をあと付けることであった。初期医療組合の個別具体的事例として神野新田組合(豊橋市)と発志院組合(現大和郡山市)について調査研究を深めた。神野新田組合の場合は1923(大正12)年に開始された医療事業は土地会社(当時神富殖産株式会社)による「住民統理」の一策であったこと。医療という共同消費の整備は小作経営の確立を支える基盤として機能したこと。土地会社から産業組合に「無償譲渡」され.経営された利用事業であるが.初期はともかく.昭和期には「普通医院」となり産業組合事業統計にはあらわれないことなどが明らかとなった。発志院組合については.医療事業が二年足らずで休止され、その事業内容等については必ずしも明らかではない。特別表彰組合であり.小作問題との関わりでとりあげられることもあるが.組合員の階層別構成(小作人加入率は2/3程度)、役職者の階層別構成をみると典型的な地主ー自作組合であり.自小作の自作化=零細経営からの脱却を中心課題としていたようにみえる。その限りで優良組合であるが.小規模産業組合が医療事業を継続して行なううえでの直接的動機に欠ける面があった(小作組合員対策といったような)ことが明らかになった。 広区単営組合への発展期については.青森東青病院.倉吉厚生病院に関して調査を行ない.またこの時期の医療組合運動のリ-ダ-である賀川豊彦の医療組合論の検討作業も手がけた。 これらの研究活動の結果.上・中と執筆してきた「初期医療利用組合の諸相」の下をもとめる展望をえた。さらに.「都市ー農村型医療利用組合運動の展開ー広区単営組合時代の幕明けー」(仮題)をまとめる手がかりを得たように思う。
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