研究課題/領域番号 |
03630046
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済史
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
武田 晴人 東京大学, 経済学部, 教授 (20126113)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1992年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1991年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 財閥 / 持株会社 / 企業行動 / コンツェルン / 内部資本市場 |
研究概要 |
本研究は、1890年代から1940年代半ばまでの財閥資本の成立・展開・解体過程対象として、その財閥本社の機能を歴史的な変化に注目しつつ検討し、本社部門が傘下の有力企業の行動にどのような形で関与したか、どのような影響を与えたかを分析することを目的とするものである。 このような観点から、当初は、研究の前提条件を整えるために一次資料の発掘に重点をおいて研究を進めたが、例えば平成3年度の資料収集の中心課題としていた住友関係の資料については、残念ながら公開に関する制約が厳しいことが判明するなど、予定した資料の収集については十分な成果を挙げられなかった。 そのため既存の資料群や研究報告等を利用しながら、上述の研究視角を生かした論考を順次とりまとめる作業を進めることになり、まず、明治の後半期を対象として、この時期の財閥が産業構造の変化にどのように対応しながら、その事業を多角化していったのか、その際にどのような組織上の問題に直面したのか、傘下の事業部門は、構造変化にどのような対応をみせたのかを主題として、「多角的事業部門の定着とコンツェルン組織の整備」と題する論文を執筆した。また、すでに収集されている資料の中から、具体的なケースとして明治後半期の古河財閥の多角化計画についての小論文(研究成果の3)、および、財閥の解体過程に関する研究史の整理と論点の提示を目的とした研究ノート(研究成果の4)を発表した。その後、戦時から財閥解体にかけての財閥資本の動向を分析した研究論文(「資本蓄積 3 財閥と独占資本」研究成果の5 近刊予定)を作成したほか、これまでの研究のとりまとめの第一歩として、「財閥と内部資本市場」(研究成果の2)を発表した。この最後の論文は、財閥本社が内部資本市場の有利性を生かしつつ、独自の蓄積基盤を自らの金融資産の操作を通して獲得していったことを明らかにしたものである。
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