研究課題/領域番号 |
03630073
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
商学・経営学
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研究機関 | 阪南大学 |
研究代表者 |
西岡 俊哲 阪南大学, 商学部, 助教授 (50208146)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ペレストロイカ / 市場経済 / 独立国家共同体(CIS) / 計画経済 / 社会主義商業 / 脱国家化 / 民営化 |
研究概要 |
本研究を行なう上で、1991年8〜12月にかけてのソ連邦の動揺と消滅は、その遂行に大きな影響を及ぼすものであった。第一に、考察の対象であるソ連の流通システムそのものが消滅したことがある。それによって旧ソ連では、従来の社会主義計画経済に基づく流通システムがほぼ崩壊し、代って自然発生的なバ-タ-経済が急速に拡大している。この過程はソ連邦が正式に消滅した1991年12月以降進行しているが、結局のところ、ソ連邦消滅以降は目まぐるしく変化する旧ソ連の流通システムに関する情報の収集が研究の中心的作業とならざるをえなかった。この成果については、次年度以降に何らかの形でまとめあげる予定である。なお、1991年8月以前のソ連における消費財の流通事情については包括的な形で検討を加え、その成果はすでに公表している(「小売価格改革と消費財流通ーソ連における消費財市場の現状についてー」『阪南論集』第27巻第1号、1991年6月)。 第二に、本研究の目的のひとつであった、「社会主義経済の詳細な検討を書き残しておく」必要性が早められたことがある。もちろんソ連邦の消滅を本研究の開始当初において念頭に置いていた訳ではないが、この点についても一定の成果があった。すなわち、これまでの社会主義経済において商業・流通が極めて軽視されてきた事実について、その理由を歴史的、理論的に検討したものである(「ソ連・東欧経済における商業」『国際流通とマ-ケティング』同文舘、1992年)。 総合的には、期間の前半における研究が上記の成果にまとめられており、後半、すなわちソ連邦の急速な崩壊から解体の時期の資料と、旧ソ連の流通システムの形成史に関わる資料の整理が、旧ソ連の政治、経済状況の激変により終了していないというのが現状である。これらについては引続き研究の中心課題としてゆく予定である。
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