研究概要 |
種々の可微分多様体およびそれらの部分多様体の微分幾何学的・位相的性質の研究は,古くから,国内・国外で活発に行なわれている。その中で,局所的にケ-ラ-多様体に共形的なHermite多様体(l.c.kー多様体)の概念が1970年代後半、I.Vaismanにより定義され,それ以後、注目をあつめている。更にその部分多様体の研究も数人の研究者により実施され,興味深い結果が得られている。今年度は特に,constant holomorplic sectional curvature Hをもつl,c,kー多様体(l,c,kーspace form)M(H)の超曲面Mで,Lee vector field αがMに接している場合のMの性質を研究して,主として次の結論を得た。 定理1.テンソル場P_<ji>がskewーsymmetricであるための必要十分条件は,h_<ie>α^l=0,ただし h_<ji>は第二基本テンソル。 次に,Mが平行な第二基本テンソル(∇ _Rh_<ji>)をもつ場合について,定理2,関数K(=Hー2P_<ts>f^tf^s)は、関係式(nー4)K_iー(nー5)<α.f>Kf_i=0 をみたす。ただし,K_i=α_iK,n=dim,M^^〜. 定理3.関数KがMの各点でnonーzeroのとき,第二基本テンソルh_<ji>は h_<et>F^t_dーh_<jt>f^t_e=f_iα_eーf_iα_jをみたす。特に,Mがtolally umbilic(全臍的)であれば,Mは恒等的にtotally geodeuic(全測源地的),すなわちh_<ji>≡0になる。 定理4.Mがminimal(極小)でなければ,Mはlocally syurnetric(局所対称)になるか,または,ベクトル場f_iはunit harmonicになる。 定理5.もし,第二基本テンソルが定理3の関係式をみたし,Mの各点で〈α,f〉≠0のとき,IIαII^2≧H+〈α.f〉_tf^tをみたし,特に等号が成り立つのは,Mがtotally geodesicのときである。
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