研究概要 |
中心拡大に関しては素イデアル分解法則の研究に主力を注ぎ,その一環として整数係数2次形式のGaussian compositionの整理を行って,2次体のイデアル群の類との間のこれまでに知られている対応を合同類の場合に拡張し,それによって2次体上ア-ベル拡大であるような有理数体上のclass2中心拡大について,素イデアル分解の2次形式による具体的かつ簡明な分類を得ることができた。これによって,非ア-ベル拡大における素イデアル分解法則の研究に新しい方向が開けるかもしれぬとその一般的扱いを検討中である。一方,中心拡大における分岐やガロア群の構造とLcopoldt予想との関係について,中心拡大における素イデアル分解の相互法則との関係をさらに追求し,上記の具体的結果とのつながりに留意しながら研究を継続中である。関連分野の研究として,極小曲面のガウス曲率の上限評価について,ガウス写像が異なる5個の除外方向を持つときその方向の間の角の最小値との関係が得られた。また,相対論的ワイル量子化ハミルトニアンに対して,電磁ポテンシャルが必ずしも滑らかでない関数のときに本質的自己共役性を証明し,このハミルトニアンに対する非相対論的極限及び質量零の極限の問題の一般の場合における解決ができた。さらに,primary manifoldのcell分割を安定域において具体的に与え,それがwallの不変量を用いて表現されることを示した。また代数的多様体の特異点解消によって現れる例外因子に関する解析や分類をニゥウトン図形と関連させることによって,できるだけ正確に行うと共に経済的な特異点解消の存在について検討した。
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