研究分担者 |
御橋 廣真 名古屋大学, 理学部, 助教授 (30022594)
堀田 康雄 名古屋大学, 理学部, 教授 (30190218)
小沢 哲也 名古屋大学, 理学部, 講師 (20169288)
北岡 良之 名古屋大学, 理学部, 教授 (40022686)
青本 和彦 名古屋大学, 理学部, 教授 (00011495)
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研究概要 |
本研究の直接目的は一昨年度の科研費研究によってその存在が明らかとなったイ-スト菌の形態とその数理構造との接点をその表面に分布するはずの圧力センサ-を通して探ることにあったが,本年度の研究は,結局は,細胞表面の圧力センサ-を通りこして,ATP構造の分子生物学的研究にまで進むことになった.現在の処,この問題の一部を環状構造のATPと線状構造のそれとの間のエネルギ-分布の相違に帰着させることに成功し,さらにこのエネルギ-分布を実測する方法のプロトタイプを開発することができた. 一方,本研究の最終的な目標である形態とその数理構造という見地から,この研究を一般化して,岩石の特殊形態の解析という問題に応用することになった,すなわち,玄武岩の柱状節理の形成が,イ-スト菌の場合に仮定した体積と表面積との間の数学的関係に非常によく似た関係に支配されているらしいことが認められたので,玄武岩の柱状節理の調査研究を行いその形成に関する数理理論を構成した.現在までのところ,この理論は,多項式近似についてだけしか完成してしていないので,柱状節理などの狭い範囲でしか有効性を持たず,対数(または指数)関数による近似も考えねばならない液晶理論など,他の重要な結晶理論を含むことができないが,これ が完成すれば,この数理構造は現在行われているものより透明である可能性が大きく,また,立体構造にまで適用できるなど応用範囲も広いように思われる。 このような事情から,発表は玄武岩柱節理の調査研究および距離関数の多項式近似による平面的理論を主とし,曲率関数とその一般関数を含めた立体的な結晶理論については将来の問題とした.
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