研究概要 |
科研費は主に研究分担者による他大学との資料収集及び共同研究にあて、それらをもとに本学においては、ゼミナ-ル等討論,情報交換に多くの時間を費やした。一つの目的として確率空間の位相的性質を調べ,それを自由位相群の構造の解明に応用することを試みた。これは分担者横山良三,山田耕三を中心に議論を進めた。この結果として山田耕三は、「距離空間Xの自由可換位相群A(X)のすべての長さn以下の語から成る部分空間An(X)がkー空間である必要十分条件はA_4(X)がkー空間であることである。」 を証明した。これを中心にkー空間の安定性について論文をまとめ発表する予定である(裏面参照)。 また、代表者及び分担者菅原邦雄はPL多様体の極小近似の研究を進めAlexandropf widthのコホモロジ-次元的接近を試みた。これについて係数群が無限巡回群IIまたは位数Pの巡回群IIpの場合は一定の成果を得た。すなわち、 「コンパクト距離空間XのG係数コホモロジ-次元,ただしGはIIまたはIIp,がn以下である必要十分条件はG係数Alexandropf width Gーa^<n+1>_n(X)が零であることである。」 が得られた。この結果は今春の日本数学会年会トポロジ-分科会で発表する予定である。 具体的な実績は上述のようなものであるが、科研費を利用して共同研究が進み、今後の問題,課題が明らかになってきた。これからこの芽が大きくなればより大きな実績と成り得るだろう。
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