研究概要 |
研究代表者の上林は10余年間にわたりアフィン多様体,とくにアフィン空間A",をめくる群作用その他の諸問題を追求してきた.当該年度の最大の収積は礎素アフィン空間の多項式写像についての著著なJACOBIN問題(KELLERの問題ともいう)の2次元の場合の解決へのいと口をつけたことである。それは,問題の肯定的解決をある双一次型式で生成されたイデアルの被約性(REDUCEDであること)の証明に帰着させたものである.この研究の成果は未発表である.他方,標数東のアフィン直線の被履の研究から派生したガロア逆問題にも興味をひかれ,この方面では具体的な成果がJOURNAL OF ALGEBRAに発表される予定である。 分担者の一人である中野はもともとの申請書において説明した諸問題にもっとも忠実に研究を行い,とくにSL(3)の作用ちる擬等質完備4次元代数多様体を完全に分類した.この結果はOSAKA JOURNAL OF MATHに投稿中である. 他の研究分担者たちもそれぞれ成果をあげた。硲は有理関数体の上に定義されたア-ベル多様体をtwistすることによって一連のア-ベル多様体でMORDELLーWEIL群の階数が2以上のものを多く含む液を構成し,それらの性質をくわしく調べた。また,土倉は解析から数論に目を向けH.STEINHAUSの古典的な予想と無理数のDIOPHANTUS近似との結びつきについて解明した.
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