研究概要 |
1.ア-ベル総和法にもとづく零点の数値計算について Yoshida氏が予想したように,この方法は一般のweight,素数levelのcusp Form Fに付随するL関係L(D,F)の場合にも広く適用できることがわかり,実際にcusp Formの空間S_k(Г_o(g))の次元が2次元以下の場合にセルバ-グ・アイヒラ-のtrace FormulaをもちいてFのフ-リエ係数を5,000個(場合によっては10,000個)計算し,それを用いてL(D,F)のcritical line R_e(D)=k/2における値をア-ベル総和法をくりかえし使用することで計算した。なお,ここでFはHecke作用素の共通の固有関数となっているものである。この結果,FとFの(10)上のcompanion Foに対するL(o,F)とL(o,Fo)の間の解析的な関係が零点の値を通して見通せるようになった。このデ-タの分析は現在進行中であるが,互いに他を補完する関係にある。 2.不変微分作用素の固有値の計算について とりわけ,上半平面の非ユ-クリッド・ラプラス作用素△=-y^2×((α^2)/( ^αy^2)+(α^2)/( ^dx^2))の固有値の計算について研究をおこなった。有限要素法および変分法の立場からRaiyleighーRitz法にもとづいて,上半平面上のC^<oo> odd cusp Form(SL_2(Z))の空間における△の固有値の計算が可能となった。有限要素の選び方において上半平面の不変測度ds=(dx^2+dy^2)/(y^2)にもとづいた三角形分割を利用することによって固有値の近似計算の精度が高まることがわかり,現在,実行中である。
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