研究分担者 |
富山 淳 東京都立大学, 理学部, 教授 (30006928)
鈴木 貴 東京都立大学, 理学部, 助教授 (40114516)
山下 愼二 東京都立大学, 理学部, 助教授 (30087019)
西岡 國雄 東京都立大学, 理学部, 助教授 (60101078)
青木 統夫 東京都立大学, 理学部, 教授 (60087020)
|
研究概要 |
青木は,KupkaーSmaleの定理をみたす写像のC^1ー内点集合はAxiom Aをみたしかつ強横断的な写像であることを示した。これはPalisーMane´の予想に対する解答になっている。西岡は,-Δ^2に随伴する疑似マルコフ過程の確率解析を進め,確率積分,測度の変換公式,最小到達時刻の分布を調べた。山下は,平面上の双曲領域のポアンカレ計量を用いて,この領域上で正則単葉な関数に対してある歪曲定理を導いた。鈴木は,非線形惰円型方程式の解の存在とその性質について調べ,毛細管等の表面張力が働く曲面を記述する方程式の解の存在するパラメ-タの範囲を示し,また平面領域上のある微分不等式と同等な積分不等式の存在を示し,Harnack原理として解の爆発現象を記述した。富山は,佐々井・高井らと共同で,一般化された超幾何方程式のモノドロミ-群がdiscreteな無限群となる場合の決定,3次元ユ-クリッド空間内の螺旋面の研究,同空間内の古典的な曲面論の曲面が特異点を持つ場合への拡張,位相力学系とC^*環論との相互作用の研究を主題にしつつ非可換力学系をもとにした非可換レンズ空間の構成と解析,Cuntz環の同型対応の研究,空間次元の非可換化に関する基本不等式の定式化に対してコンパクト可換群作用による接合積におけるものから局所コンパクト群作用へ拡張する研究を行った。酒井はSchwarz関数の存在する場合の境界の分類を2次元の場合に解決した。また,Riemann面の接続を論じ,単位円板上の2葉被覆面として表わされる自明でない面について極大なものとそうでないものが共に存在することを示した。以上の各分担当の研究は連絡会で報告され相互の研究に影響をもたらし,変分不等式の研究とその応用について寄与するものと考えられる。
|