研究概要 |
小さいパラメ-タを含む非線形方程式の初期値問題 (A){x+εu+ε^2α_2(u)+…+ε^mαm(u)}au/ax=q(x)u=r(x),u(1)=bを考える。ここでα_k(u)はS_k次の多項式で,q(x),r(x)はO≦x≦1で解析的である。この問題は,はじめにWasow(1955)が,Ligtーhill Technizue(所謂,PLK法)を用いて,α_k(u)≡Oの場合に解の構成を試み,その後,渋谷,高橋(1966)によって,0≦x≦1における解析的な解が構成された。その後,高橋(1966,1987,1990(*)によって,m=2,3の場合に解が構成された。問題(A)については,高橋(1967(**),1989(* **)が仮定 (B) 0<2(Soー1)q(0)<1,So=ma×((S2)/2,S/2,…,(Sm)/m) 等のもとで解を構成した。論文(*)では,仮定(B)の代りに,仮定 (C) 2(Soー1)q(O) ≧1 のもとでも解の構成を行なった。 また論文(**)では,仮定(B)より,わるい仮定で解の構成を行なったが、その際(D)iSjーjSj>0(i<j)なる条件をつけた。 本研究では,このような条件(D)をつけることなく,仮定 (E) 2(Soー1)q(0)≧1, So=ma×((S2)/2,(S3)/3,…,(Sm)/m) のもとで解の構成を試みた。そのためには、級数致の係数の評価をより精密に行なう必要がある。本研究の成果はN.I.T.(日本工業大学研究報告)Vol.22に投稿予定である。
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