研究概要 |
与えられたモ-メント列に対して,そのパワ-モ-メント問題における解全体は,R上の確率測度からなる弱コンパクトな凸集合をなしている.特に,このモ-メント問題が不確定のとき、この解の集合は無限次元凸集合であり,その端点である解の様子を知ることが解全体を知ることの有力な手掛りとなる.以下,ある不確定モ-メント問題の解の端点になっている確率測度を端点解と呼ぶことにする.端点解は次のようにも云いかえることが出来る.すなわち,R上確率測度μで,そのモ-メントは不確定であるが,L^1(μ)の中で多項式は稠密になっている.この後者の性質を少し強くして,L^2(μ)の中での多項式の稠密性が成立するとき,μをNー端点解と呼ぶことにする.本研究において得られた結果は要約すれば,「Nー端点解はR上の離散的確率測度であり,その台と重さは2つの指数型整関数の組み合せによって特徴づけられる」ことである.もう少し詳しい概要は次の要になる. R上の確率測度μがモ-メント問題のNー端点解であるための必要十分条件はμが次のような離散測度であることである. μ=Σ^^∞__<n=1>α_nδ_<an> こゝに台{a_n}と重さ{α_n}は極小指数型整関数の組SとTとによって与えられる. 1)S,Tともに零点はすべて実かつ1位であり,SとTとはある条件によって結ばれている.(4つの条件として定式化出来るが,例えばTはSによってinterpolate出来3,T(Z)=Σ^^∞__<n=1>S(Z)T(a_n)/(Zーa_n)S'(a_n),zcーC等々) 2)台{a_n}は,Sの零点全体である。 3)重さ(α_n}は,α_n=⊥/(a_n^2+1)T(a_n)S'(a_n)(n=1,2,・・)である.以上. 一般の端点解についても類似が予想されるが,未解決である.
|