研究課題/領域番号 |
03640255
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
西尾 正則 国立天文台, 電波天文学研究系, 助手 (70135383)
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研究分担者 |
鷹野 敏明 国立天文台, 太陽電波観測所, 助手 (40183058)
中島 弘 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (40012877)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1991年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 光ファイバ- / 電波干渉計 / 位相同期 / VLBI |
研究概要 |
光ファイバ-は、同軸ケ-ブルに比べ伝送損失がきわめて小さいという利点を有するが、電気と光の変換過程で内部雑音が発生するという問題点がある。光ファイバ-を同期信号の伝送に用いたとき、この雑音は位相のゆらぎとなって位相の同期精度を劣化させる。電波干渉計の場合、最終的に感度を低下させる効果となる。本研究では、光ファイバ-を信号伝送に用いた場合に発生する雑音が電波干渉計に与える影響について定量的に解析し、光の強度が0dBm程度であれば発生する雑音の量が電波干渉計に与える影響は1%よりはるかに小さく、無視できるという結果を得た。光の強度を小さくしていくと、内部雑音の影響は相対的に大きくなる。我々は、光の強度の変化による位相同期回路の特性の変化を実験的に調べ、光の強度が-20dBm程度までは電波干渉計の感度を損なうことなく安定な位相同期を行うことが可能であることを確認した。これは、光ファイバ-の伝送損失を0.2dB/km〜0.4dB/kmとすると、50km〜100kmの伝送が可能であることに相当する。より高感度の受光素子を用いれば伝送距離は更に延ばすことが可能である。 長距離伝送を行う場合、周囲温度の変化や局所的な屈曲などの外乱を受けることになる。このため、光ファイバ-の温度変化に対する伝送路長の変化特性、屈曲による伝送信号の位相変化特性、屈曲による損失の変化特性について実験的に調べた。特殊な加工を施した光ファイバ-ケ-ブルでは、温度変化に対し0.2ppm/℃の伝送路長変化であり、高位相安定度の同軸ケ-ブルと同等かそれ以上の性能を有することがわかった。また、半径30mmまで曲げても位相変化は0.65度/GHz程度、損失は無視できるほど小さく、同軸ケ-ブルより屈曲を大きくすることが可能であるという結果が得られた。
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