研究課題/領域番号 |
03640260
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
田辺 孝哉 埼玉大学, 教養部, 教授 (00008905)
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研究分担者 |
吉永 尚孝 埼玉大学, 教養部, 助教授 (00192427)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1992年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1991年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | Collective motion / High-spin state / Superdeformation / Hartree-Fook-Bogoliubov approxlmation(HFB) / Random phase approximation(RPA) / Chaos / Level statistics / Giant dipole resonance / Highーspin state / HartreeーFockーBogoliubov approximation (HFB) / Random phase approximation (RPA) / Highーspin states / Rotational state / HartreeーFockーBogoliubov(HFB) approximation / Finite temperature |
研究概要 |
原子核の集団運動的(振動・回転)励起状態を、核子間相互作用と単一粒子の自由度から直接的に構成する微視的理論を適用した解析と、集団運動を記述するための自由度を導入する模型に基づく解析を行った。これらの成果は以下の通りである。(1)超変形状態をクランキングHFB方程式の自己無撞着解によって記述する試みは成功したので(発表済)、その解が与える状態の上に励起されるE1巨大共鳴状態を解析した。有限温度RPA(TRPA)によって双極子相互作用の線形応対関数を計算し、共鳴エネルギー、共鳴幅、γ線の各分布に関する非対称パラメーター等を求め、通常変形の場合との比較、温度依存等を論じた。特に、非対称パラメータがγ線エネルギーの増大に伴い、負から正に変化する交差点の位置が超変形帯では基低帯の場合より3MeV程度低エネルギーに移行することが予測され、変形度に関する情報が得られることが分かった。更に、この様な微視的な取扱の場合、束縛条件によって取り扱われる変形度等の巨視的な物理量の揺らぎの考察を行った(印刷中)。(2)古典的には可積分系である系について量子効果を調べた。ビリヤード内に測度ゼロの散乱点が存在する場合にはレベル分布に対するいままでの仮説(可積分ならボアソン分布、カオス系ならウィグナー分布)を一部履す結果が得られた(一部は出版済、残りは投稿中)。(3)ジノキオ模型を用いて系の集団運動性とカオス度について調べ、重い原子核ほどカオス度が弱いという実験事実に対する我々の仮説を提唱した(投稿中)。(4)gボソンを含む相互作用するボソン模型を用いてラジウム同位体の低スピンの正と負バリティーの状態を現象論的に解析した。球形から変形の相転移を記述し、同時に強いE1遷移を説明するためにはgボソンが必要となることを示した。また低スピンの状態は4重極変形プラス8重極振動で完全に理解できることも示した。(印刷中)。
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