研究課題/領域番号 |
03640265
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
鈴木 宜之 新潟大学, 理学部, 教授 (70018670)
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研究分担者 |
矢花 一浩 新潟大学, 理学部, 助手 (70192789)
池田 清美 新潟大学, 理学部, 教授 (40011548)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1992年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1991年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 中性子過剰核 / ^<11>Li / ^6He / ソフト双極子モード / アイコナール近似 / 相互作用断面積 / 破砕反応 / 光学ポテンシャル / breakup / soft dipole mode / 中性子ハロ- / glauler近似 / 断熱近似 |
研究概要 |
中性子過剰核の構造について、芯核と複数個の中性子からなる系と仮定し、クラスター軌道を用いた定式化をし、^<11>Li及びHeアイソトープへ適用した。^<11>Liの場合^9Liと中性子との相互作用についての不確定さはあるが、ハロー構造で特徴づけられる空間的に広がった密度分布が得られた。中性子間の相関をより良く考慮する配位の重要性が示された。Heアイソトープについても同様な分析を行い、^6Heの主要な構造を理解することができた。クラスター軌道による解析は、芯核と中性子間との電気的双極子モーメントを通じて中性子過剰核を励起するソフトモードにも適用された。^<11>Liについて得られた双極子強度から、鉛標的核にたいする(^<11>Li,^9Li)中性子離脱反応の断面積は600-700mbと大きな値が得られた。^6Heについての分析からも同様な結果を得、一般に雫線に近い中性子過剰核は安定核に比しクローン分解の確立が非常に大きくなることが結論された。 中性子過剰核の破砕反応や弾性散乱において、緩やかに束縛した中性子は容易にはがれ連続状態へbreakupの効果が重要になる。アイコナール近似と断熱近似を用いることによって^<11>Liの連続状態へのbreakupを考慮した有力な4体反応理論ができることを示した。これは^<11>Liの相互作用断面積、中性子離脱反応断面積、弾性散乱断面積など種々の断面積の計算に威力を発揮した。この定式化はbreakupによって光学ポテンシャルが変化する効果の評価を可能にし、それによって^<11>Liの弾性散乱の角度分布異常性を説明することができた。また相互作用断面積や中性子離脱反応断面積のような包含反応からは、核のサイズ叉は表面付近の密度はわかるが、核構造の詳細な情報を引き出すことは困難であることを示した。一方、(^<11>Li,^9Li)反応の^9Liの運動量分布はハロー中性子の波動関数に非常に敏感であることを明確にした。
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