研究課題/領域番号 |
03640266
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大貫 義郎 名古屋大学, 理学部, 教授 (90022532)
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研究分担者 |
長谷部 勝也 愛知大学, 教養部, 教授 (90228461)
森田 克貞 名古屋大学, 理学部, 助手 (60022688)
北門 新作 名古屋大学, 教養部, 教授 (20027345)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
1991年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 分数スピン / ポアンカレ群 / 無限成分方程式 / 2+1次元 / S^D上の量子論 / 分数電荷 / 誘導電荷 |
研究概要 |
低次元時空における量子論には、通常の理論には全く見られぬ興味ある構造が発現し、しばしばこれが物理学に新しい視点を提供してきた。本研究は、これまでの研究実績にもとづき研究期間を一応1年間に限定して、特に素粒子論の面から見た低次元を中心とする量子論および場の量子論について、集中的に行なった諸検討の結果である。得られた成果は以下の通りである。 大貫は、2+1次元における可能な相対論的粒子像を網羅すべく、同時空間におけるポアンカレ群のユニタリーな既約表現をことごとく決定し、とくに有限質量のフラクショナル・スピンをもつ粒子の振舞いを詳細に検討した。まずこの種の粒子の従う共変的な波動方程式が導かれ、波動関数は必然的に無限成分になることが証明された。次にこれに第2量子化の手法が施され、場の変換関係が吟味された結果、場の量子論の枠内において、因果律と無矛盾な理論形式の存在し得ないことが明らかにされた。同様にして質量ゼロの場合の吟味もなされ、このときに限りスピンの現われ方に理論に特有のトポロジーが関係することが明らかにされた。 さらに、大貫は北門とともに、1次元円環状の量子論を定式化し、これをD次元球面上の理論に拡張し、モノポール型のベクトル・ポテンシャルが内在することを示すとともに、基本代数の表現を完全に決定した。 また、長谷部は中谷、野々山とともに2+1次元における誘導電荷の振舞を詳しく吟味し、とくにフラクショナルな誘導電荷に対してはその固有状態が存在し得ないことを明らかにした。 森田は伊藤とともに確率量子化における対称性の自発的な破れに関する研究を行なった。
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