研究課題/領域番号 |
03640275
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
杉立 徹 広島大学, 理学部, 助手 (80144806)
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研究分担者 |
西山 文隆 広島大学, 工学部, 助手 (00164616)
阪口 篤志 広島大学, 理学部, 助手 (70205730)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1991年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | RICH / リングイメ-ジチェレンコフ検出器 / 多重アノ-ド光電子増倍管 / ニュ-ラルネットワ-ク / チェレンコフ / 高エネルギ-物理学 / 粒子識別 |
研究概要 |
1.本科研費により行った研究経緯の概略。 256チャンネルに分割された位置感応(多重アノ-ド)型光電子増倍管をシングル光子検出部に組み込んだリングイメ-ジ型チェレンコフ検出器(RICH)を試作した。平成3年6月および12月に東大原子核研究所電子シンクロトロン実験室にて高エネルギ-電子ビ-ムを利用し、光子検出部の実用化に向けた性能評価を行った。解析は広島大学にて行った。 2.本研究による成果として明らかになったこと。 (1)高計数率(1k事象/秒)の下でも高い検出効率(約95%)にて、バックグランドの少ない綺麗なチェレンコフリングを検出することに成功し、RICH検出器の光子検出部として実用できることを検証した。 (2)1事象当たり約37個のチェレンコフ光子を検出した。この結果から本光電子増倍管のシングル光子に対する明るさは1901/cmであることを初めて明らかにした。この「明るさ」は、実用化に向けRICH検出器をデザインする上で最も基本的で重要な数値である。 (3)ニュ-ラルネットワ-ク型のアルブリズムを適応し、高速・高効率なチェレンコリングのパタ-ン認識ソフトウェアの開発準備研究を行った結果、本研究にて得られた実験デ-タに対し約80%のリング識別機能を有すことが解り、オンライン・オフライン解析に有効な手段であることを発見した。 3.本研究により明らかにされた問題点および今後の展開。 (1)RICH検出器を実用化する場合、数千から数万本の電気信号を取り扱わねばならない。効率良い信号処理・読み出し方法を開発する必要がある。 (2)高度な実験を可能とするためには、オンラインでの最終トリガ-として機能できる、チェレンコフリングのパタ-ン認識方法を開発する必要がある。 (3)本研究代表者は、これらの問題点を然るべき補助を受け(科学研究費試験研究Bに申請中)、解決して行きたいと考える。
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