研究課題/領域番号 |
03640298
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長田 俊人 東京大学, 教養学部, 助手 (00192526)
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研究分担者 |
鹿児島 誠一 東京大学, 教養学部, 教授 (30114432)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 有機超伝導体 / 低次元電子系 / 磁場誘起SDW転移 / ランダウ準位 / フェルミオロジ- / 輸送現象 / 強磁場 |
研究概要 |
有機低次元導体(TMTSF)_2ClO_4は、磁場誘起SDW転移やそれに関連した量子ホ-ル効果など、伝導電子系の低次元性を反映して顕著な物性を示す。これを磁場中エネルギ-スペクトルの観点から研究する事が本課題の目的である。主眼とした磁場誘起SDW状態でのトンネル分光によるスペクトルの測定の他に、角度依存磁気整合効果の解釈、小周期振動と磁場誘起SDWに対する超格子構造の影響についてエネルギ-スペクトルの観点から模型を提唱した。(1)トンネル分光の実験は平担な試料表面が得られなかったため、スズを対向電極とした点接触型で測定を試みたが、試料が非常に脆いためスズ電極を十分に押しあてる事が出来ず良好なトンネル接合の状態を得る事が困難であった。STM的に電極針を非接触でPZTにより高精度制御する等、今後も実験を継続していく予定である。(2)(TMTSF)_2ClO_4の角度依存整合効果は昨年我々が発見した新現象であるが、それに対する模型を提唱した。系の磁場中エネルギ-スペクトルは電子の蛇行運動を反映して1次元的分散を持つが、磁場方向が有限のトランスファ-を持つ格子ベクトルに一致するとき(整合角)には更に磁場方向にも分散が現れ鎖間の電気伝導が可能になるというものである。(3)(TMTSF)_2ClO_4は低温で陰イオンの配向が秩序化を起こしb軸方向に倍周期の超格子が生じている。この超格子ポテンシャルと磁場の下での系のエネルギ-スペクトルを調べた結果、フェルミ準位近傍の1次元分散はゼ-マン分離的に2重にスプリットし、かつ分裂幅は磁場の逆数に対して周期的に振動する事がわかった。これはコヒ-レントな磁気貫通の結果であると解釈され正常相における小周期振動の1つの説明を与える。またこの分裂のため偶数次の磁場誘起SDW不安定性が緩和されるので温度磁場相図で偶教次サブフェイズの領域が縮小する事がわかった。これで相図の「標準モデル」からのずれを説明できると思われる。
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