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蛍光スペクトルによる超イオン導電体の研究

研究課題

研究課題/領域番号 03640312
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究機関東北大学

研究代表者

服部 武志  東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (20029234)

研究期間 (年度) 1991
研究課題ステータス 完了 (1991年度)
キーワード超イオン導電体 / 蛍光スペクトル / イオン伝導率 / βーアルミナ / フラクタル / 不規則性 / Crイオン / SO_4化合物
研究概要

本研究は超イオン導電体中の不純物イオンの蛍光スペクトルを調べるという分光手段で、伝導イオンの位置や分布に関する情報を得て、イオン伝導機構の解明の一助になることを目的とする。得られた主な成果は、1.Na_<1ーx>Ag_x、Na_<1ーx>K_x、Na_<1ーx>T1_x、Na_<1ーx>Li_x等混晶βーアルミナ中に残留不純物として含まれるCrイオンからの蛍光を、時間分解スペクトル、減衰時間、共鳴蛍光スペクトルを通して調べ、更に、蛍光の励起スペクトルを調べることより、次の結果を得た。
(1)NaβーアルミナではNaイオンは伝導径路上にランダム分布している。
(2)Na_<1ーx>K_xやNa_<1ーx>Ag_xβーアルミナでは蛍光スペクトルにイオンの選択的換が反映される。この選択的イオン置換がこれらの物質に見られるイオン伝導率の混合陽イオン効果の原因である。
(3)Na_<1ーx>T1_xβーアルミナではイオン置換がランダムに起こり、イオン伝導度の濃度変化に混合陽イオン効果が見られない原因となっている。(4)Na_<0.7>Ag_<0.3>、Na_<0.5>Li_<0.5>βーアルミナの伝導面の2種類のイオンの配列がフラクタル構造を取っている。このことがこれらの混晶でイオン伝導度が極端に小さくなっている(Naβーアルミナの1/10^2〜10^6)ことの原因の一つと考えられる。
(5)以上の結果から、βーアルミナの伝導面はイオンを混合することで、その不規則性を制御できる系である。更に、その不規則性の違いがこの物質の混晶系でのイオン伝導を支配している一因であると考えられる。不規則性を制御した系の物性を調べることが今後の課題である。
2.SO_4化合物超イオン導電体(LiKSO_4)の単結晶を水溶液法で作成し、SO_4イオンの振動バンドをラマン散乱で測定し、その温度変化より、SO_4イオンの回転運動とイオン伝導のプロセスを結び付けて解析した。Crイオンの導入は未だ十分成功していないので今後の課題としたい。

報告書

(1件)
  • 1991 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] T.HATTORI: "TimeーResolved Luminescence Spectra of MixedーCation BetaーAlumina Crystals" Key Engineering Materials. 59&60. 91-98 (1991)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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