研究課題/領域番号 |
03640320
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
|
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
二木 治雄 琉球大学, 教育部, 助教授 (80145549)
|
研究分担者 |
冨吉 昇一 愛媛大学, 工学部, 助教授 (50005922)
|
研究期間 (年度) |
1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1991年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 酸化物高温超伝導体 / 核磁気共鳴(NMR) / 磁場侵入度 / 渦糸 |
研究概要 |
水素をド-プしたYBa_2Cu_3O_<7ーδ>(YBCO)で、水素をプロ-ブとして微視的見地から、超伝導・常伝導状態での諸物性を明らかにする目的で、水素核(プロトン)の核磁気共鳴(NMR)を行ってきた。特に、YBa_2Cu_3O_<6.94>H_xの共鳴線の詳細な測定から、超伝導状態における共鳴線形の異常な振舞が観測された。 これを解明するために、フ-リエ変換(FT)NMRで、YBa_2Cu_3O_<7ーδ>H_x(水素濃度x=0.2および0.53)の粉末試料について、共鳴線形の温度変化の測定を行った。 超伝導状態では、共鳴線形は結晶内での渦糸の分布を反映しているが、FTNMRによる共鳴線の測定から、反磁性効果によって、中心周波数に対して、低周波数側にずれた通常観測されるピ-クに加え、高周波側にもピ-クが出現し、低温になるにしたがって、線幅の増大と共にピ-ク間隔も増大し、x=0.2では、70Kで約10Oe、x=0.53では、60Kで約5Oeを示す。この違いは、0.53に比べて、0.2のほうが超伝導性が強いためである。 高磁場側のピ-クは、渦糸内の水素からの信号を示していて、Tc以下60Kまでは、結晶内部で渦糸は3角格子を組んでいないか、また、相当に乱れているのではないかと考えられる。しかしながら、ビッタ-パタ-ン等の測定では、低温で、渦糸は三角格子を組んでいるとの報告もあり、今後、より低温下での測定を行い、より詳細な研究を行う。また、この実験で開発したFTNMRのプログラム・測定装置等は、他の研究にも利用され、研究の幅を拡げる事ができた。
|