研究課題/領域番号 |
03640328
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
立木 昌 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20028111)
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研究分担者 |
高橋 三郎 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60171485)
小山 富男 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30153696)
松本 秀樹 東北大学, 金属研究所, 助教授 (40209648)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 酸化物高温超伝導体 / 層状超伝導体 / 混合状態 / 多層膜超伝導体 / 磁化過程 / 近接効果 / superconducting multilayer |
研究概要 |
本年度は、昨年度の研究実績を踏まえて、酸化物高温超伝導体に対する層状構造の効果をさらに調べた。本年度の研究実績は以下のとおりである。 酸化物超伝導体の混合状態の性質には、層状構造にともなう超伝導秩序の不均一性に起因して、従来の第2種超伝導体には見られない新しい効果が現れることを明らかにした。特に、層に平行方向の渦糸と輸送電流との相互作用に対して、従来の理論で無視されている輸送電流の空間分布の非一様性が本質的に重要となる事を示した。この効果により、渦糸に作用する実効的なローレンツ力の大きさは従来の理論による評価と大きく異なる可能性がある。このため、酸化物高温超伝導体の混合状態におけるピニング力や臨界電流を評価するためには、層状構造を積極的に考慮したモデルを用いなければならない事を明らかにした。 酸化物超伝導体の上部臨界磁場は層状構造に起因して大きな異方性を示すが、その角度依存性の計算はこれまで行われていなかった。本研究で層状構造を積極的に取り入れた層状超伝導体に対する現象論的ギンツブルグ-ランダウ理論を構築し、上部臨界磁場の角度変化を計算した。上部臨界磁場の角度変化の特徴は、層状構造に起因する次元クロスオーバーと近接効果により良く理解できる事を明らかにした。 酸化物超伝導体の抵抗状態に対する現象論を発展させ、電気抵抗の磁場依存性を計算した。酸化物超伝導体の抵抗状態の挙動は、熱活性型のフラックス流から単純なフラックス流へのクロスオーバーとして理解できることを示した。 酸化物超伝導体の電子状態に対する理解を深めるために、強結合電子系に対する複合演算子の方法を発展させてスピンと電荷の揺らぎのホール依存性を計算した。
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