研究課題/領域番号 |
03640351
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
斉官 清四郎 大阪大学, 理学部, 助教授 (80011162)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | フォトンエコ- / J会合体 / ホ-ルバ-ニング / 位相緩和 |
研究概要 |
J会合体を形成する色素としてTetrachloro tetraethy1 benzimidazolocarbocyanineとDisulfopropy1 dichloro ethylthiacarbocyanineに注目した。この2つの色素はポリビニルアルコ-ルポリマ-にド-プすることが可能であり、それぞれ590nm、620nmにJバンドが現われる。 通常ホ-ルバ-ニングスペクトルはロ-レンツ形になることが知られているが、J会合体のホ-ルスペクトルは分散形になることが判った。このことは反応成生物の吸収が励起波長のごく近傍にあると仮定すれば理解できる。興味ある結果として蛍光励起スペクトルによるホ-ル測定では通常のロ-レンツ形が観測できることから、この反応成生物の発光効率は極めて低いと考えられる。 この分散形のスペクトルを反映してエコ-信号は単純な指数関数的波形にはならず、立ち上がり部分にへこみが見られた。エコ-信号のtailの部分から位相緩和時間をもとめてその温度変化を測定した。通常の色素・ポリマ-系の試料と異なり位相緩和時間は極めて速く、4Kで3.5ピコ秒の値が得られた。またその位相緩和時間は10K以下では変化が少なく一定値に近づく傾向がある。このことは、J会合体では励起子効果が強く、自然寿命がモノマ-の場合と比べて速くなるためであり、10K以下の位相緩和時間は自然寿命によって決っているものと思われる。また100K近くまでエコ-信号の減衰が観測でき、位相緩和時間の温度依存性は、モノマ-と比べて、緩やかである。
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