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フェムト秒分光による励起水素結合体の電荷分離・陽子移動過程の直接測定

研究課題

研究課題/領域番号 03640409
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 物理化学一般
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

宮坂 博  京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (40182000)

研究期間 (年度) 1991
研究課題ステータス 完了 (1991年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード電子移動 / 陽子移動 / 水素結合 / フェムト秒分光 / ピコ秒分光
研究概要

溶液中での励起水素結合体における超高速電子移動及び陽子移動過程を律する要因を明確にすることを目的としフェムト秒、ピコ秒分による研究を行った。(1)ピレノ-ルやナフト-ルと脂肪族アミンとの励起水素結合体の陽子移動過程をフェムト秒分光により直接測定した。その結果、陽子移動速度は500fsから1ps程度で溶媒の極性には大きく依存しなかった。また、室温での重水素化は陽子移動速度に大きな影響を与えないという結果が得られた。更に77K凍結溶媒中での蛍光挙動の測定からは、種々の構造を持つ水素結合体が存在し、陽子移動に適した構造を持つものからは室温同様1ps以内程度の迅速な陽子移動が観測されるが、励起状態の寿命内には陽子移動出来ないものも存在する事が分かった。これらの結果から、これらの励起水素結合体での陽子移動は比較的遅い錯体内の分子間の運動により律せられている事が示唆された。但し、このように錯体内の分子間の運動(あるいは配置)が直接に反応速度を律するような場合には、反応過程は単純な指数関数とは異なった挙動を示すと考えられ、より時間分解能の高い精度良い測定により更に詳細な機構が明確にされると考えられる。(2)水素結合体の励起状態と電子移動状態の間のエネルギ-ギャプと電荷分離反応速度との関係:ピレノ-ルやアミノピレンと種々のピリジン誘導体との水素結合体について、無極性溶媒中での挙動をフェムト秒レ-ザ-ホトリシスにより検討した。その結果、電荷分離速度は、エネルギ-ギャップに依存し我々の測定した範囲では正常領域的な振る舞いを示した。また逆に、電荷再結合は逆転領域の振る舞いを示し、通常の電子移動と同様の結果が得られた。更に測定結果を詳細に検討した結果、このような水素結合体での電子移動は、錯体内での陽子の振動と強くカップルした過程である事が示唆され、理論的また更に広範囲の系での実験的研究を計画している。

報告書

(1件)
  • 1991 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hiroshi Miyasaka: "Dynamics and Mechanisms of Photoinduced Electron Transfer and Related Pheromera" Elsevier N.Matugu,T.Okada,and H.Masuhara編集, 550 (1992)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書

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公開日: 1991-04-01   更新日: 2016-04-21  

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