研究課題/領域番号 |
03640489
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分析・地球化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
清水 洋 東京大学, 理学部, 助教授 (60090544)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | LaーCe同位体系 / SmーNd同位体系 / 希土類元素パタ-ン / 大陸地殻 / 先カンブリア紀 / 島弧火山岩 / 化学的堆積物 |
研究概要 |
LaーCe、SmーNd放射壊変系を利用した希土類元素同位体トレ-サ-及び希土類元素パタ-ンをもとにして大陸地殻の進化を解明することが、本研究の主要な目的である。主な成果は次の通りである。 1.中国東北部、朝鮮半島南部、日本列島の先カンブリア紀の岩石のCe、Nd同位体比及び希土類元素パタ-ンの研究を行った。その結果、(1)東アジアにおいて、地球形成初期からdepleted mantleが存在していたことが明らかになり、(2)これら3つの地域の先カンブリア紀の変成岩のmagmatic sourceは共通であったことが判明した。さらに、東アジアの大陸地殻は、35億年前及び約26〜28億年前にdepleted mantleから分化したことが示された。 2.ソロモン諸島、小笠原諸島の島弧火山岩について、同位体比、微量元素存在度の研究を行った。海嶺玄武岩(MORB)的なマントルと大陸又は海洋地殻との混合モデルでは、これら島弧火山岩の同位体比及び化学的特徴を説明できないことを示した。このことから、大陸地殻又は海洋地殻のマントルへの沈み込みの程度は、大規模ではないことを指摘した。 3.地球形成初期の岩石として代表的な、オ-ストラリアのピルバラ地域の先カンブリア紀の岩石についての研究により、この地域のkomatiiteの形成年代は32億年であること、またチャ-トは32億年の生成の後に変質作用の影響を受けていることを明らかにした。komatiite及び変質の少ないチャ-トのデ-タをもとにして、オ-ストラリア地域の大陸地殻の地球初期における発達史を求めていく予定である。 4.チャ-ト、マンガン団塊のCe同位体比を初めて報告した。(1)これらの化学的堆積物のCeとNdは、大陸物質とマントル起源物質に由来し、(2)この両者の供給物質の割合は、堆積環境及びこれらの元素の海水中での平均滞留時間を反映していることを明らかにした。
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