研究課題/領域番号 |
03640498
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分析・地球化学
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
田端 正明 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (40039285)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1991年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 光散乱分析 / ポルフィリン / リン酸イオン / 海水の分析 |
研究概要 |
我々は、陰イオン性ポリマ-であるモリブドリン酸塩と陽イオン性ポルフィリンとの反応を調べたところ著しい光散乱強度の増大を見いだした。本研究ではテトラキス(1ーピリヂニウムー4ーイル)ポルフィリン(H_2tmpyp^<4+>)を用いてリン酸イオンのppbレベルの光散乱分析法の確立と海水の分析を行なった。 1.イオン対生成 リン酸イオンは酸性溶液中でアンモニウムモリブデンと反応してヘテロポリモリブドリン酸塩を生じる。そしてそれはポルフィリンと反応してイオン対を生成する([H_4tmpyp^<6+>]・[PMo_<12>O_<40>^<3->])イオン対はRayleigh散乱を生じ、最大散乱強度は475nmに現れた。2.最適定量条件と海水中のリン酸イオンの定量 ポリモリブドリン酸塩とポルフィリンの結合比はモル比法により1:1であることがわかった。イオン対生成による散乱強度は、モリブデン酸アンモニウム2ー7.5×10^<-4>moldm^<-3>の範囲でほぼ一でであり、0.2moldm^<-3>の硫酸濃度でブランク値の値は最小となった。イオン対は反応2分後から一定になり10分たっても変化しなかった。検量線は3ー100ugdm^<-3>のリンの濃度範囲で直線となった。相対標準偏差は1.7%であった。塩化物イオンは0.5moldm^<-3>濃度でも、また珪酸イオンイオンは10^<-3>moldm^<-3>濃度でもリン酸イオンの定量を妨害しなかった。この結果に基づいて海水中のリン酸イオンを定量した。 光散乱法は物理化学の分野でタンパク質やコロイドミセルの高分子の研究に用いられている。しかし、本法におけるリン酸の分析のように選択的高分子生成反応を用いると、分析への広い応用の可能性が期待される、本法は溶媒抽出やメンブランフィルタ-による予備濃縮の必要もなく簡単に高感度にリン酸イオンを定量することができる。
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