研究課題/領域番号 |
03640556
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生態学
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
吉江 文男 専修大学, 経済学部, 助教授 (50183992)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1993年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1992年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1991年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 高山植物 / 休眠 / 生活型 / 休眠芽 / 越冬様式 / フェノロジー / 開花期 / 生育型 / 適応戦略 / 生活形 / 生長習性 / 生育地 / 休眠状態 / 休眠法の構造 / 生育形 |
研究概要 |
1.約80種の高山植物の越冬様式と約30種の高山植物のフェノロジーを調査し以下の知見を得た。 2.休眠状態:秋に採取した植物を24Cで栽培し生長開始に要する日数を調査した結果、5日前後で生長を再開するものから250日経っても生長を再開しないものまであり、高山植物は強制休眠から深い自発休眠まで様々な状態で越冬していることがわかる。 3.休眠芽の構造:秋にはすでに新しいシュートを少し展開して越冬するものと、休眠芽のまま越冬するものに分かれる。後者はさらに本葉からの芽鱗の分化程度によって、完全分化、不完全分化(鱗片葉が存在)、未分化(芽鱗は存在しない)に細分される。 4.越冬様式と生育地との関係:すでに新シュートを展開したもの及び芽鱗の未分化な休眠芽ではすべて30日以内に生長を再開し自発休眠が浅い傾向にある。しかも、これらの植物は砂礫地や岩礫地などの基質の不安定な場所に多く見られる傾向がある。対照的に、分化した芽鱗をもつ休眠芽の自発休眠は深く、林床や草原など安定した立地に生育するものが多い傾向にある。これは温帯植物で得た結果と共通する。 5.フェノロジー:夏緑草本は7月初旬までに開葉するものがほとんどだが、常緑草本の開葉は7月中旬から下旬と遅れる。冬緑植物の開葉は8月に入ってから起こる。夏緑草本の多くは8月中に生長停止するが、ロゼット型のものでは9月に入っても生長を続けるものがある。夏緑草本の多くは9月下旬から10月上旬に枯死するが、コバイケイとイワイチョウは9月中旬と早く明らかに他と区別できる。木本植物でも開葉の時期は常緑植物で遅れる傾向にある。木本植物の生長停止は8月下旬から9月上旬で、夏緑木本の落葉は10月上旬には完了する。
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