研究課題/領域番号 |
03640559
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生態学
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研究機関 | 京都医療技術短期大学 |
研究代表者 |
佐藤 芳文 京都医療技術短期大学, 診療放射線技術学科, 講師 (80215871)
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研究分担者 |
大崎 直太 京都大学, 農学部, 講師 (70127059)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1991年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | モンシロチョウ属 / エゾスジグロシロチョウ / 食性の進化 / 食草選択 / 生育場所選択 / 寄生性天敵 / キレハイヌガラシ / コンロンソウ / ハタザオ属 / アオムシコマユバチ / 寄主転換 |
研究概要 |
モンシロチョウ属の、モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、エゾスジグロシロチョウ、の3種のチョウの幼虫はアブラナ科植物を利用するが、チョウの種により利用している植物の属や種が異なる。実際にチョウの幼虫が何を食べて育つかは、雌成虫がどの植物に産卵するかで決まってくる。チョウの食草選択の過程は(1)食草の生育場所選択、(2)食草選択、の2つに分けられる。実際に利用している食草(現実食草)に対しチョウはこの2つのステップをクリアーするが、実際には利用していないが潜在的に利用可能な植物(潜在食草)に対しては、チョウはこの2つのステップのいずれかで産卵行動を停止する。本研究は、各チョウは潜在的に利用可能な植物に対し、どの過程でなぜ産卵を停止するかを明らかにした。 チョウの生息場所は実際に利用している植物の生育場所を重ね合わせたもであった。したがって、潜在食草がチョウの生息場所内にあるときは、チョウは(1)の生育場所選択はクリアーしたが(2)の食草選択の段階で産卵を行わなかった。したがって、潜在食草に対し、化学忌避物質を感知していると考えられた。一方、潜在食草がチョウの生息場所外にあるときは、チョウは(1)の生育場所選択の段階で産卵行動を停止した。しかし、(2)の食草選択の段階を設定すると、産卵した。したがって、食草生育環境に対し忌避感覚を獲得していると考えられた。 潜在食草忌避の究極的要因は、モンシロチョウ属幼虫に専門的に寄生する天敵に対するチョウの種による天敵回避法の違いである。しかし、実際に忌避する場合には、植物が生息場所内にあるか生息場所外にあるかで上に挙げた異なる至近要因を感知して潜在食草を忌避していると考えられた。
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