研究課題/領域番号 |
03640581
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物形態・分類学
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
中村 省吾 富山大学, 理学部, 助手 (60134996)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1991年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | クラミドモナス / 鞭毛 / 形態形成 / 光形態形成 / 単細胞緑藻 |
研究概要 |
単細胞緑藻クラミドモナスの、鞭毛形態形成が異常な突然変異株の解析を平成3年度に引続き平成4年度も行った。この変異株は、高照度下では鞭毛を形成せず、暗黒下に移すと鞭毛を形成し、その形態は棒状(野生株と同じ)のもの、棒状の途中が円盤状になったもの、全体が円盤状のものまで様々であるという特徴を持つ。まず、暗黒下で形成された変異株鞭毛への光の影響を見た。暗黒下で16時間培養し、約70%の個体に鞭毛を形成させた後、高照度の白色光下に移すと8-12時間後に鞭毛を持つ個体は10%以下に減少し、その形態も円盤状が多くなる傾向が見られた。この結果と、昨年度の、高照度下から暗黒下に移してから約16時間後に80%以上の個体で鞭毛が形成された結果とから、鞭毛形成阻害には細胞周期と関連があることが示唆された。次に、光がどのようにして変異株の鞭毛形成を阻害するのかを短時間で調べるため、以下の実験を行った。野生株及び暗黒下で形成された変異株の鞭毛を機械的に切断除去し、高照度下及び暗黒下での再生過程を観察した。野生株の鞭毛はどちらでも切断後ほぼ2時間で切断前の長さにまで再生した。一方、変異株の鞭毛は、暗黒下では野生株とほぼ同じ再生過程が見られたが、高照度下では切断前の約1/2-2/3までしか再生してこなかった。また、蛋白質合成阻害剤(cycloheximide:20μg/ml)の存在下で同様に鞭毛の再生過程を調べたところ、野生株は高照度下、暗黒下ともに約1/3-1/2の長さまで再生したが、変異株では両所ともに約1/4以下までにしか再生してこなかった。これらの結果から、変異株では鞭毛蛋白質の細胞質中のプール量が鞭毛の長さにして約1/4以下と野生株の半分以下であることと、高照度下では鞭毛蛋白質の合成または活性が阻害されることが考えられた。野生株と交配し、四分子解析したところ変異株の表現型と野生株の表現型が2:2の比率でみられたことから、遺伝子の変異は単一であることが判った。
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