研究課題/領域番号 |
03640598
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物発生・生理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
雨宮 昭南 東京大学, 理学部, 助教授 (30011670)
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研究分担者 |
藤沢 弘介 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (60022224)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ウニ / ヨツアナカシパン / 骨片 / 細胞系譜 / 発生運命 |
研究概要 |
ヨツアナカシパンを用いて、ウニ類の成体骨片形成細胞の起源(細胞系譜)を調べ、以下の結果を得た。ヨツアナカシパン胚を、16細胞期に各割球に分離し、大割球、中割球、小割球を、それぞれ別々に培養した場合の、成体骨片(棘の骨に注目した)形成能を調べた。その結果、受精膜の除去法と16細胞期までの割球の培養条件によって、割球の分化能が著しく変ることがわかった。トリプシンを用いて受精膜を除去し、Ca^<++>欠如海水中で飼育して得た16細胞の胚から分離した中割球の分化能は著しく大きく、正常発生では形成しないとされる幼生骨片を高率で形成するのみならず、成体骨格を形成して変態するものまで現れた。しかし、機械的な処理によって受精膜を除去し、正常海水中で16細胞期まで飼育して得た中割球の分化能は、著しく限定され、正常発生における運命と同様に外胚葉を形成し、骨片を作ることは殆ど無かった。後者の方法で分離した大割球(1個)、中割球(2個)、小割球(1個)をそれぞれ別々に培養したところ、大割球のみが成体骨格を形成した。さらに、中割球(8個)と小割球(4個)、大割球(4個)と小割球(4個)とを組合せた場合の成体骨片形成能を調べたところ、前者の場合には幼生骨片を形成したが、成体骨格を形成せず、後者の場合には、幼生骨片と成体骨格の両方を形成した。16細胞期の各割球に蛍光色素を取り込ませて発生させ、成体骨片形成時にどの割球の子孫が成体骨片形成に関与しているかをしらべ、さらに、これらの試料について、骨片形成蛋白質(mspー130)に対するモノクロ-ン抗体(B2C2)を用いて二重染色を行ない、骨片形成細胞への分化を分子的にも確認したところ、大割球の子孫の細胞が棘の骨を形成していることがわかった。以上の全ての結果は、ヨツアナカシパンにおける成体骨片(棘の骨)形成細胞は、16細胞期の大割球に起源する事を示している。
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