研究課題/領域番号 |
03640607
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物発生・生理学
|
研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
古郡 隆弘 高知大学, 理学部, 教授 (30036553)
|
研究分担者 |
鈴木 知彦 高知大学, 理学部, 助教授 (60145109)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1993年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1992年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | ヘモグロビン / ミオグロビン / 軟体動物 / アミノ酸配列 / 分子系統樹 / 分子進化 / 一次構造 / 魚類 |
研究概要 |
無脊椎動物グロビン鎖(ヘモグロビン鎖、ミオグロビン鎖)は、脊椎動物が4量体ヘモグロビンと単量体ミオグロビンとはっきり単純化されているのに比べて、多岐にわたる分子構造をもつことが知られている.しかしその全貌やそれぞれの分子鎖の類縁関係などについては未知の部分が多い.我々は今までに軟体動物、環形動物などから数多くのグロビン鎖を単離し、そのアミノ酸配列を決定してきた.今回の研究においても二枚貝綱フネガイ科のエガイの仲間のヘモグロビン及び軟体動物のなかで最も原始的とされるヒザラガイからのミオグロビンをそれぞれ単離し、そのアミノ酸配列をタンパク質側及び遺伝子解析法を用いて決定することができた.これらの結果より、軟体動物に分布するグロビン鎖のかなりのもののアミノ酸配列が明らかになった.そこで、我々はこれらのデータを用いて我々の開発したコンピュータプログラム及び広く利用されているプログラムを用いて分子系統樹を作成し、各鎖の類縁関係と進化の概要を解明した.その結果、軟体動物グロビン鎖は筋肉ミオグロビンと血球ヘモグロビンに分けられ、筋肉ミオグロビン鎖は単量体ミオグロビンと二量体ミオグロビンに分かれた.一方、血球ヘモグロビン鎖はフネガイ科の二枚貝に含まれるホモ二量体、ヘテロ二量体、4量体、2ドメイン型のヘモグロビンなどであり、もうひとつは共生細菌を体内にもち硫化水素運搬能力をもつヘモグロビンである.また、これらの分子の分子構造上の分化は進化の過程のかなり初期に分かれたものと判断された.今後、生物進化と分子進化との関係なども含めて、より詳細な研究が期待される.
|