| 研究課題/領域番号 |
03640636
|
|---|
| 研究種目 |
一般研究(C)
|
| 配分区分 | 補助金 |
|---|
| 研究分野 |
動物形態・分類学
|
|---|
| 研究機関 | (財)東京都神経科学総合研究所 |
|---|
研究代表者 |
林 愼治 (林 しん治) 東京都神経科学総合研究所, 解剖発生学, 副参事研究員 (20076996)
|
|---|
| 研究分担者 |
岡村 裕昭 東京都神経科学総合研究所, 解剖発生学, 主事研究員 (60213972)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
1991 – 1992
|
| 研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
| 配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1991年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
|---|
| キーワード | ホルモン受容体 / 新生仔ラット / 免疫組織化学 / 神経ホルモン / 遺伝子発現 / 視床下部 / 顔面神経核 / 神経内分泌学 / エストロゲン / 受容体 / 免疫反応 / 脳下垂体 / 抗血清 / ラット |
|---|
| 研究概要 |
ラットの脳内におけるエストロゲン受容体(ER)の発現と分布を免疫組織化学とインサイチュウハイブリダイゼイション(ISH)の方法によって検討した。また、視床下部内のER含有神経細胞における各種神経ペプチドとの共存を検討した。まず、ERをコードするcDNAを大腸菌遺伝子に組み込んで、ER-ベータガラクトシダーゼの複合タンパクを作成し、これを用いて家兎の免疫を行い、特異的なポリクローナル抗体を得た。この抗血清から得たガンマグロブリン分画と、ラット子宮組織超遠心上清分画との間で行った免疫沈降試験によって、単一の沈降バンドが得られたことなどから、この抗体はERタンパクを特異的に認識することを確認した。さらに、標識エストロゲンとラット子宮ER分画の結合に対するこの抗血清の影響を検討して、この抗血清はエストロゲンと非結合・結合の両方の状態のERを認識することが明になった。ラット脳の視床下部諸神経核・扁桃体・外側手綱核・中心灰白質等には、新生仔期・成熟期を問わず、ERが存在することを明らかにした。視床下部視束前野・腹内側核・弓状核等で、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(LHRH)とERとの同一ニューロン内共存はないことを確認した。さらに、一部のニューロンでは神経ペプチドとERが共存していること、共存の状態がエストロゲン・プロゲステロン投与によって変化することを見出した。電子顕微鏡を用いた免疫組織化学によって、ERはこれらの細胞の核内に局在し、核小体には欠如していること、細胞質内のER存在は疑わしいことを観察した。また、新生仔期の顔面神経核内側亜核に、ERが一過性に出現し、成熟ラットでは消失する現象を発見した。この事実は、ISHによっても確認した。この現象の持つ生物学的な意味づけは現段階では不明であるが、ERが核内DNAと結合すること等から、神経細胞の分化の関与している可能性がある。
|
