研究課題/領域番号 |
03640651
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
層位・古生物学
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
的場 保望 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (30006663)
|
研究分担者 |
佐藤 時幸 秋田大学, 鉱山学部, 助教授 (60241668)
白石 建雄 秋田大学, 教育学部, 教授 (60006567)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1991年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 秋田油田 / 男鹿半島 / 上部新生界 / 微化石層序 / 女川層・船川層 / 天徳寺層・笹岡層 / 北浦層・脇本層 / 五城目 / 本荘 / 船川層 / 天徳寺層 / 笹岡層 / 大桑・満願寺動物群 / 上部新第三系 |
研究概要 |
秋田油田地域の上部新生界層序体系は1920年代に確立されて以降、現在まで大きな変更なく使用されてきた。この層序は男鹿半島と秋田市地域の層序とを組み合わせたものであり、下位より女川層、船川層、天徳寺層、笹岡層である。男鹿半島で船川層の上に重なる北浦層・脇本層は秋田市地域の天徳寺層・笹岡層の同時異相とみなされてきた。最近の各種微化石層序の発達により従来の層序体系に疑問が生じてきた。秋田油田の構造発達史はこの層序体系にもとづくために大きな変更があれば、新たな構造発達史を作り上げなければならなくなる。 男鹿半島を模式地とする女川層・船川層は、それらの特徴ある岩相により秋田油田全域に使用されてきた。各地で硬質頁岩(女川層)に挟まれる珪藻質泥岩と黒色泥岩(船川層)の珪藻化石を検討した結果、現在の能代-由利の海岸線より東側の女川層は男鹿半島の女川層下・中部に、船川層は同女川層上部に対比されることが明らかとなった。一方秋田市北方を模式地とする天徳寺層・笹岡層はこれまで男鹿の北浦層・脇本層に対比されてきた。しかし珪藻化石、石灰質ナンノ化石、および浮遊性有孔虫化石層序の検討の結果、天徳寺層・笹岡層は男鹿半島の船川層に対比される鮮新統であり、男鹿の北浦層・脇本層は笹岡層より新しい海成更新統であることが判明した。 これらの結果から、広義の秋田油田地域は現在の能代-由利の海岸線付近を通る北由利衝上断層系によって大きく二分されることがわかった。東側(内陸側)では天徳寺層堆積ころから隆起しはじめ、かなり浅海化して笹岡層が堆積し、引き続く隆起によって笹岡層の堆積は終わり陸化した。一方衝上断層の西側(男鹿半島を含む日本海側)には海盆が存続し、北浦層・脇本層の厚い堆積が行われた。このような結果にもとづいて、今後新たな秋田油田の構造発達史を検討して行かなければならない。
|