研究課題/領域番号 |
03650001
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田村 信一朗 北海道大学, 工学部, 助教授 (80109488)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 半導体超格子 / フォノン / 共鳴 / 二重障壁 / 透過保数 / 周波数禁止帯 / フィルター / ナノ・メートル / 超格子 / 不規則系 / アンダーソン局在 / 相関効果 / 透過係数 / 共振特性 / フォノン光学デバイス / THz / 共鳴透過 |
研究概要 |
1.本研究において第1に我々は、まずIII-V族半導体GaAsとAIAsを構成要素とする二種類の周期超格子AとBより形成されるABA三重超格子構造において、THz領域のフォノンに共鳴透過現象の生じることを主に数値計算により明らかにした。特にこの共鳴透過は、本来フォノンの透過が禁止されているはずのA超格子のストップバンド(周波数禁止帯)中に鋭く現れることを示し、さらにフォノンが(100)半導体界面に垂直に入射する場合の共鳴透過係数の周波数依存性と、界面に斜めに入射する場合の透過係数の角度依存性を現実的な超格子パラメータの下で示した。 2.続いてここで見い出したフォノンの共鳴透過現象が生じる物理的理由、またフォノン共振器の系統的な設計に不可欠である共鳴、共振条件などを明らかにするため、上記超格子系におけるフォノン透過率の解析的計算を転送行列法に基いて試みた。その結果、共鳴条件に対する一般的な公式を見出すのに成功した。 3.さらにB超格子を単一半導体で置きかえた場合のフォノンの共振特性を解析的、並びに数値的に詳細に調べ、共鳴条件、共鳴が生じる周波数の出現個数などと構成半導体の種々のパラメータとの関係を明らかにした。 なお、この構造を周期的に繰返した場合、共振ピークの分裂とその重なりが生じ、その結果共振周波数は有限幅のバンドを形成してゆくことを、分散関係の導出と数値計算により示した。 以上、考察した種々の超格子構造におけるフォノンの透過特性を踏まえることにより、フォノン共振器(レゾネータ)をはじめとして、熱振動数領域(〜1 THz)における非平衡フォノンの周波数単色化を目標として考えられているフォノン・フィルター,フォノン・ミラーなどナノ・メートルスケールのフォノン光学デバイスを設計するための基礎が確立されたと結論される。
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