カ-ボン繊維強化プラスチック(CFRP)円筒と金属軸の接着接合を対象として、引張とねじりを負荷したときの接合部の強度を検討した。CFRP円筒はカ-ボン繊維織物プリプレグで成形し、金属軸には炭素鋼を、接着剤にはエポキシ樹脂を用いた。また、継手の変形状態を測定するために、レ-ザ-光源を用いたひずみ測定装置をも試作した。 (1)レ-ザ-干渉法を用いて接合部表面の変位をスペックルパタ-ンにより計測できる見通しが得られた。 (2)有限要素法による応力解析結果に軸継手の各部分の強度則を適用して、CFRP円筒軸と金属軸との接着軸継手の強度予測を行うことができる。 (3)引張負荷およびねじり負荷を与えた軸継手では接着部の両端付近で著しい応力集中が生じる。CFRP円筒では金属軸先端の接着部付近、金属軸ではCFRP円筒先端の接着部付近に顕著な応力集中が認められる。 (4)引張とねじり負荷に関わらず、継手の強度はほぼ接着界面(金属ー接着剤)の強度により決定される。 (5)引張負荷とねじり負荷に関わらず、段付き重ね合わせ軸継手には、それ以上接着長さを増やしても継手強度が増加しなくなる長さが存在する。 (6)段付き重ね合わせ軸継手の強度は、引張負荷やねじり負荷に対して、重ね合わせ部のある断面積比に対して最大値を持つ。
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