研究概要 |
1.通常重力場における高圧燃焼実験 (1}多成分燃科であるC重油の燃焼時間は雰囲気圧力の上昇とともに急激に減少し,2MPa以上ではほとんど変化しないことがわかった.このような傾向は,単一成分燃料の結果と同様であることが確かめられた.また,すす濃度は雰囲気圧力とともに急激に増加するが,0.5MPa以上ではほとんど変化しないことがわかった. (2)エマルジョン燃料におけるミクロ爆発は雰囲気圧力が上昇すると発生しないことがわかった.また,すす濃度は圧力の上昇とともに増加するが,高圧力下ではほとんど変化しないことがわかった. 2.微小重力下における単一成分燃料燃焼実験 高さ約6mの落下塔を用いることにより,約1秒の微小重力状態を得ることができ,火炎観察により液滴の球状燃焼が実現されていることを確認した.微小重力下における燃焼速度定数は通常重力下におけるそれより若干小さいことがわかった. 3.微小重力下におけるエマルジョン燃料燃焼実験 同一条件において,ミクロ爆発発生までの待ち時間を約30回測定した結果,待ち時間はある範囲に分布することがわかり,このことからミクロ爆発は確率的現象であることが示唆された.また微小重力下での待ち時間は通常重力下でのそれに比べて長くなることが確かめられた.これは,液滴の温度上昇が微小重力下においてやや緩やかになることによるものであると考えられるが,さらに詳細に検討を要すると思われる.
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