研究課題/領域番号 |
03650256
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
助川 徳三 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (30006225)
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研究分担者 |
木村 雅和 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (50177929)
田中 昭 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (50022265)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | セレン化亜鉛 / セレン化亜鉛-砒化ガリウム混晶 / 液相エピタキシャル成長 / セレン化亜鉛結晶基板 / 擬似密閉スライドボート / 物理的気相成長 / セレン化亜鉛ー砒化ガリウム混晶 / 青色発光素子材料 / 液相成長 |
研究概要 |
ZnSe系デバイスの工業的発展のためには、1)開管スライド式液相成長法の開発、2)格子整合系ヘテロ材料の開発、3)成長用基板の開発と液相成長への応用の三点が基本的に重要と考え、これらの開発研究をおこなった。まず、液相エピタキシャル成長や多層成長に不可欠のスライドボート摺動部をB_2O_3の融液で封止し、開管式スライドボートでありながら成分蒸気をボート内に閉じこめて逃がさない疑似密閉型のボートを考案した。これによって成分蒸気圧の高いZnSe系の液相成長がスライドボートでおこなえるようになった。この新型ボートを用いてIn溶媒によるZnSeの成長実験をおこない、ZnSe飽和のIn溶液を徐冷するとZnSe成分は上方へ運ばれること、したがって、本研究者らが開発した比重差利用の液相成長法である“yo-yo溶質供給法"がこの系にも適用できることを示した。次に、格子整合ヘテロ系であるZnSe-GaAs混晶、およびZnSe-GaP混晶の成長実験をおこない、GaAsおよびGaP基板上にこれらの混晶を成長させることができた。これらの混晶系はZnSe系ヘテロデバイスの開発に大きな自由度と広範な機能付加の可能性をもたらすものである。さらに、現在入手不可能なZnSe結晶基板の問題については、ZnやSeの蒸気圧が高い性質を利用した物理的気相成長法による基板結晶の作製を図った。その結果、1mm近い厚さの単結晶基板をGaAs上に作製できるようになった。そして、このZnSe結晶基板を液相成長に用い、その上へのZnSeの成長が実際に可能であることを示した。この成果はZnSe系の研究の展開に一つの画期をもたらすものである。今後はこうしたZnSe基板を用いた開発研究を進展させることができるものと思う。同時にこの実験からは新しい物性の発現とより広い制御性の期待できるIII-V族混晶とZnSeとの混晶の成長が可能であることも見い出すことができ、材料分野においても新しい領域の端緒を開くことができた。
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