研究課題/領域番号 |
03650261
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
|
研究機関 | 日本工業大学 |
研究代表者 |
鈴木 敏正 日本工学大学, 工学部, 助教授 (30129142)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1991年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 酸化物高温超伝導体 / 薄膜 / 臨界電流 / ジョセフソン接合 / dc-SQUID / 走査トンネル顕微鏡(STM) / 成長メカニズム / 微細加工 / dcーSQUID |
研究概要 |
酸化物高温超伝導体の一種で、高性能デバイス材料として注目されているY-Ba-Cu-O(YBCO)を用い、新しい概念である「電気的に制御された臨界電流によるジョセフソン接合」による超高感度磁気センサSQUID(超伝導量子干渉素子)を実現することを目的として、平成3年度〜平成4年度に研究を行ない、以下のような知見を得た。 1.シングルターゲットを用いたオフアクシスマグネトロンスパッタリング法によって、YBCO薄膜を“その場で"(後処理なしで)得ることのできることを確認した。 2.MgO基板を用いた場合には成長温度が700℃で 超伝導転移温度(Tc)が77.5Kと一番高く、c軸配向膜であるが、成長温度を下げるとTcが低下するもののa-b面配向性が向上した。また、基板にSrTiO_3を用いることによりTcは82Kに向上し、またa軸配向性が向上した。 3.得られたYBCO薄膜の表面構造を、走査トンネル顕微鏡(STM)によって詳細に観察した。その結果、a-b面配向膜はテクスチャー構造であるが、c軸配向膜はら旋転位に起因すると思われるスパイラル構造であることがわかった。その大きさは、200nm程度であった。 4.得られたYBCO薄膜をフォトリソグラフィー工程によってマイクロブリッジに微細加工し、その前後の電気抵抗の温度依存性の変化を測定した結果、超伝導特性の劣化は無いことが明らかとなった。 今後は、さらに同様に研究を続け、本研究課題の最終目標である「マイクロブリッジ中への電界によるウィークリンクの誘起とジョセフソン効果の発生の確認」および「二接合マイクロブリッジループの作製と直流SQUID動作の確認」を行なうよう努力する。また、成長したYBCO薄膜をさらに詳細に検討することにより、その成長メカニズム、ひいては超伝導メカニズムを解明するための基礎的知見を得ることに努める。
|