研究概要 |
複数の人間による協調作業としての,ソフトウェア設計作業を明らかにするため,打ち合せや会議の模様をビデオにとり,プロトコル解析を行い,協調作業のモデルを行った。具体的な成果は以下のとおりである。 1.ビデオを用いた打ち合せ/会議のモニタリングとそのデ-タの分析法 発注者1名,設計者2名,製作者4名,調整者1名を1つのグル-プとし,発注から設計仕様書を得る段階までの打ち合わせ/会議をビデオに記録し,それより発話の分布状況を抽出した。分布状況をもとに発話率(1人の時間あたりの発話量),対話率(2人の間で行われた時間当りの発話量)を求め,発話,対話の偏り部分を抽出し,各フェ-ズごとの特徴を調べた。さらに内容分析を行い,偏り部分と重要な発話がなされた部分とにかなりの相関があることがわかった。 2.ソフトウェア設計過程における協調作業のモデル化 実験で得た知見をもとに,協調作業のモデルを構築した。このモデルは,話題の流れを表すトピック層,参加者の役割を表すロ-ル層,参加者の振舞いを表すプロトコル層の3つの視点からなり,順にデ-タフロ-,オブジェクト,状態遷移の3つの形式的モデルをベ-スにしている。参加者は,1つの話題をインタラクションポイントとして,並列に通信しあうモデルとなっている。
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