研究概要 |
1.超並列アーキテクチャに関する検討 本研究ではまず,オブジェクトシステムの考えが,様々なオブジェクト間の関係記述を利用して画像理解のプロセスを記述しえるだけでなく,メッセージ通信をベースとした並列処理の枠組みを提供し得るという点に着目し,オブジェクトシステムをベースにした並列処理記述の枠組みを明らかにすることを試みた.それと共に,画像理解,ニューラルネットワークといった並列オブジェクトシステムの高速に処理するためのデータフロー型超並列アーキテクチャAMPに関する研究を進めた. 特に,細粒度システムの実行効率を向上させるため,オブジェクト間のメッセージ通信を高速に実現するためのメカニズムを明らかにすると共に,PEの実行効率をさらに向上させるための方式についても検討を進めた. 2.ニューラルネットワークの記述法に関する研究 関数型言語Validにオブジェクト指向を導入し,ニューロンを構成する機能関数のカプセル化,ネットワークを構成するニューロン・オブジェクトと機能関数のカプセル化,ニューロン・クラス階層などの知識ライブラリの構築を行ない,複雑なニューラルネットを記述するためのシステムを提案した. 3.ニューラルネットをベースとした画像理解モデルの検討 多階層の相互結合型ニューラルネットワークを用いた超並列画像理解システムICE(ImageCEntered)Systemの提案・予備実験を行なった.ICEでは,画像理解を「入力画像を複数の属性に分けられた記号的概念に対応付けて,理解の結果を各属性の中で最も強く活性化した記号概念の組で表現すること」ととらえている.
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