研究概要 |
曲線桁5体と直線桁1体,計6体の桁の曲げ耐荷力実験を行った。試験桁の断面は,フランジについては全域が降状するまで座屈が発生しないような自由突出脚幅厚比(=10)とし,また腹板幅厚比は道路橋示方書の基準程度(=160)とした。試験体の断面形状は,1体を除いて全て一定であり,曲率半径のみ5m〜∝(直桁)まで変化させた。一方解析は,実験と対応させた断面を用い,残留応力,初期たわみを考慮し弾塑性有限変位有限要素解析を行って,終局挙動,終局耐力を求めた。 実験および解析結果から,次の知見が得られた。 1.曲線桁の着目パネル中央断面で,フランジに反り応力が発生しない応力状態(着目パネルの両端に逆向きの曲げねじりモ-メントが作用する場合)となる終局曲げモ-メントと曲率の関係式を与えた。それは,実用範向の曲率の範囲では,直線式で近似できる。 2.上記の曲線桁の終局曲げ耐荷力を用い,曲げねじりモ-メントの影響を相互作用曲線の形で与えた。 3.直線桁の曲げ耐荷力を求めば,(1)および(2)によって,それと同じ断面の曲線桁の終局げモ-メントが推定できる。 4.直線および曲線プレ-トガ-ダ-では,フランジの耐力が失われると致令的といえる。したがってフランジは,降状するまで座屈することなく,また,最高荷重後もある程度のダクティリティ-が要求される。このことから,フランジ突出脚幅厚比は10程度が適当と思われる。
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