| 研究概要 |
本研究は,大阪湾泉州沖海底地盤から得られた不撹乱洪積粘性土の時間依存的力学特性を調査するとともに,その変形予測手法について提案を行った。研究実績の詳細は以下のとおりである。
1.中圧定ひずみ速度試験機を試作し,不撹乱洪積粘性土の圧密特性について検討を行った。まず,圧密特性におよぼすひずみ速度および背圧等の試験条件の影響について検討を行った。その結果,定ひずみ速度圧密試験から得られる圧密降伏応力は,ひずみ速度の影響を顕著に受けることを明らかにした。また,中圧定ひずみ速度試験機は,沖積粘性土と比較して圧密降伏応力の値が大きい不撹乱洪積粘性土に対して有用であることを明らかにした。
2.ミニ3軸圧縮試験機および中圧ミニ3軸圧縮試験機を用い,不撹乱洪積粘性土の非排水せん断特性について検討を行った。また,せん断特性におよぼす年代効果の影響について検討を行うために,練り返し再圧密洪積粘性土を用いた非排水せん断試験も合わせて行った。不撹乱粘性土および練り返し再圧密粘性土ともに,最大軸差応力の対数と間隙比には線形関係が認められた。またe_Lおよび間隙比指数を用いることにより,初期間隙比のせん断強度におよぼす影響が除去できることが示された。
3.圧密試験およびミニ3軸試験の結果を用いた不撹乱洪積粘性土の弾粘塑性パラメータ決定方法を提案した。また,決定されたパラメータは3軸圧縮試験のシミュレーション解析および埋立人工島の一次元圧密解析を通じてその妥当性が検討された。
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