研究課題/領域番号 |
03650413
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岸野 佑次 東北大学, 工学部, 助教授 (00005448)
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研究分担者 |
新関 茂 東北大学, 工学部, 助手 (30005524)
中川 昌美 東北大学, 工学部, 助手 (80198043)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1992年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1991年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | マイクロメカニックス / 土石流 / 流動機構 / シミュレーション / 粒状要素法 / 間隙水圧 / 2相挙動 / 固有値解析 / シミュレ-ション |
研究概要 |
土石流は固体的側面と液体的側面とを兼ね備えた力学現象であるために解析が非常に困難であり、従来有効な理論展開が充分になされていない。そこで、本研究においては、粒子レベルのモデルに基づく計算機シミュレーションの手法を用いて、マイクロメカニックスの立場から種々のアプローチを行った。解析に用いた粒状要素法は、従来の手法と異なり、剛性行列に基づいて解析を進める点に特徴がある。とくに、粒状体が固体的挙動から液体的挙動に遷移する状況は、剛性行列により特徴づけることが自然であると考えられる。ここでは、現象の定量的な評価を行うまでには至っていないが、本研究において提示したアプローチは、複雑な土石流発生・流動メカニズムの理論的背景を明らかにする思考モデルとしての役割を果たすものと考えられる。 粒状体の固体的および液体的挙動を特徴づけるためには、粒子間の剛性と境界条件を組み込んだ全体剛性行列の固有値解析を行うことが有効である。本研究ではまず、従来より連続体について応用されてきた固有値解析を粒状体に適用する方法を示すとともに、新たに固有モード展開という概念を提案し、これをせん断載荷試験シミュレーションにおける変形局所化の解析に応用した。つぎに、土石流の発生メカニズムに不可欠な浸透水のモデル化の方法を示し、土石流発生の一つの重要なメカニズムとして位置づけられる解析例を示すとともに、構造特性を表すテンソルや上述の固有変形解析の応用による考察を含めて示した。固有変形解析の結果は、粒状体の液体的挙動が、粒状体の固体的挙動の一つと考えられる変形局所化とは異なった変形メカニズムに支配されているということを強く示唆するものとなっている。最後に、土石流の発生から流動に至るまでを連続的に解析することを目的として新たに開発した動的粒状要素法の斜面崩壊解析への応用を試み、有用性を確認した。
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