研究課題/領域番号 |
03650456
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
谷池 義人 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00111980)
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研究分担者 |
丸山 敬 京都大学, 防災研究所, 助手 (00190570)
林 泰一 京都大学, 防災研究所, 助手 (10111981)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1991年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 高層建物 / 連立 / 境界層 / 相互作用 / 風洞実験 / 振動 / 圧力 / 風力 |
研究概要 |
高層建物群が近接して建つと、その間を流れる風が複雑に変形し、各々の建物に作用する風力やそれによる振動応答が単独建物に比べて大きくなる場合がある。本研究では相互作用による共振現象や振動応答の増減が何故引き起こされるのかを明らかにする目的で、2棟の正方形断面角柱を対象として、2棟間の流れと対応する圧力場を測定し、さらに風下角柱に作用する変動抗・揚力を測定して両角柱からの放出渦と作用風力との関係を調べた。風洞実験は乱れの小さい境界層流を用いて行い、2棟間の圧力場は床面上の多点の同時圧力測定により求め、流れの可視化はドライアイスのミストを用いて行った。その結果、2棟が極端に近接している場合を除くと、いずれの配列においても風上角柱の存在によって風下角柱の変動抗・揚力は増大した。変動風力の増大する原因として1)風下角柱が風上角柱の剥離流線上に存在、2)風上角柱からの放出渦が風下角柱に直接あたる、3)風上角柱からの放出渦が流下過程で細かい渦に分かれ接近流の乱れの増加をもたらす、4)2棟間の縮流が風下角柱からのは放出渦の強さを増大させると伴に、風上角柱からの放出渦が風下角柱の変動風力に寄与する、等の現象を明らかにした。2棟が流れに対して一直線に並んだとき、風上角柱で生じた周期的な渦が風下角柱の前面にあたり、その隈角で同方向により一層の回転(角運動量)を得て流下するため、より強い変動揚力が作用する。このとき風下角柱自体の過発生はなく、風上角柱からの渦放出に伴って交互に変形された流れ(Switchingと呼ぶ)に支配される。このSwitchingの周期が風下角柱の固有周期に一致するとき、自励的な振動が風下角柱に生じる。また、2棟の間隔が狭くなり過ぎると、風上角柱からの剥離流が風下角柱の側面に再付着し、風下角柱に負の抗力が発生する。このとき明瞭な渦形成がなくなり、変動揚力は単独角柱の場より小さくなる、等の知見を得た。
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