研究概要 |
東北地方の中部の郡山市において,集合住宅,一戸建住宅の床麈埃の収集を行い,麈埃中のカビコロニー数,ダニアレルゲン量を測定した。測定対象建物の一年間の季節的変動,両者の比較,カビコロニー数とダニアレルゲン量との関係,温湿度とカビコロニー数,ダニアレルゲン量との関係を求めた. 平成三年度の二月,九月の集合住宅のアレルゲン量の測定では,二月に比して九月は,非常に大きな値を示すが,DerI,DerIIにその特徴が著るしく,DerpIは,ばらつきが大きく,九月が必らずしも大きな値を示していない。同時に行ったカビコロニー数の測定に関しては,特に大きな特徴を示してはいない。 平成四年度の一戸建住宅,平成五年度の集合住宅の測定では,年間消長は,ダニアレルゲン,カビコロニー数共に冬期に少なく,春季〜秋季特にカビでは夏季に,ダニアレルゲンでは,秋季に大きな値を示しているが,各戸必らずしも同一の傾向を示していない。 ダニとカビは,その増殖の温湿度の範囲が似ていることから,平成三年,四年,五年度の測定結果を用いて両者の相関関係を求めたが,いづれの場合にも,相関関係は認められなかった。 また,室内の温湿度,床面温湿度と,ダニアレルゲン量,カビコロニー数との関係も明らかな結果は,認められなかった。 床仕上材とダニアレルゲン量,カビコロニー数との比較では,一戸建住宅の中では,差は認められないが,集合住宅と一戸建の比較では,一戸建の畳,集合住宅のカーペットにアレルゲン量が多く,住い方の相異によるものと思われる. 韓国ソウル近郊の住宅での同一の測定では,ダニアレルゲン量は,郡山市より低く,建物の構造,暮し方の相異によると思われる.
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