研究課題/領域番号 |
03650528
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
|
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
早川 元造 鳥取大学, 工学部, 助教授 (60093621)
|
研究分担者 |
岡本 尚機 鳥取大学, 工学部, 助手 (30029889)
岡 宗雄 鳥取大学, 工学部, 教授 (60029866)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 部分安定化ジルコニア / セリア正方晶ジルコニア多結晶体 / マルテンサイト変態 / 粒径依存 / 硬さ / 粉末試料 / 等温変態 / 結晶粒成長 / 粒末試料 / セリア-正方晶ジルコニア多結晶体 / 結晶粒径依存 / 曲げ強度 / 変態温度 |
研究概要 |
セリア添加正方晶ジルコニア多結晶体(Ce-TZP)を用いて、マルテンサイト変態におよばす結晶粒径・粉砕粒径の影響が調べられた。バルク試料では結晶粒径の微細化にともない顕著なMs温度の低下と母本の硬度上昇が観察された。一方、粉砕試料(1〜30μm)ではMs温度は粉砕粒径に殆ど依存せず、結晶粒径による差も認められなかった。また同一の結晶粒径で比較した場合、バルク試料のMs温度は粉砕試料よりも低い温度となった。これらの結果より通常観察されるMs温度の粒径依存はバルク試料固有の粒間拘束応力に依存するものと結論できた。核形成の機構は必ずしも明かではないが、Ms温度の粒径依存の原因としてつぎの仮説が提案された。即ち、結晶粒の微細化にともない母相に平均降伏応力は上昇し、これがマルテンサイトの核形成に必要な母相則の歪緩和を困難にするためにMs温度が低下する。この説はバルク試料のMsが粉砕試料よりも低いという実験結果を合理的に説明するが、現在ひろく知られている非等方的熱膨張による粒界集中応力説ではこれとは逆の傾向を示すはずである。 さらに本研究を通じてCe-TZPも粉砕試料では顕著な等温変態を示すことが明らかになった。等温変態はY-TZPにおいてよく知られており、Zrと価数の異なるYの添加によって必然的に導入される酸素空孔の存在が等温変態と密接に関係すると一般に考えられていた。しかしながら本研究の結果はこれとは明らかに矛盾しており、今後さらに等温変態の原因について研究を行なう必要がある。
|