研究課題/領域番号 |
03650533
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
藤田 廣志 近畿大学, 理工学総合研究所, 教授 (30028930)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1991年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | アトム・クラスタ- / マジック・サイズ / 結晶核形成 / 新機能付加 / カ-ボン・アトム・クラスタ- |
研究概要 |
アトム・クラスタ-の物性とその安定化に関する研究を行った結果、次の事項が明らかとなった。 1.アトム・クラスタ-としてバルクに物質とは著しく異った性質を示す原子集団の大きさには或る臨界の寸法があり、それをMagic Sizeと名付けた。このMagic Sizeは結合モ-ドと結合力に依存し、共有結合性の強くなるほど、また配位数の小さくなるほど小さくなる。 2.このMagic Sizeは、結晶化の場合の結晶核の大きさに相当することを確めるとともに,この寸法は結晶化速度を決定する過冷度には殆んど無関係であることを確かめた。 3.Magic Sizeの決定法を見出し、従来の実験結果にそれを適用してその有効さを確かめた。 4.結晶核形成の立場からアトム・クラスタ-の熱力学的考慮を行った。それによって、Gibbsの自由エネルギ-の推測が可能となり、アトム・クラスタ-形成のプロセスが明らかとなった。 5.アトム・クラスタ-を輪切りにした部分では新しい元素に相当した性質を示すことから、元素に新しい元素の創生ともいえる新しい機能を付加できる可能性を確かめた。 6.アトム・クラスタ-について予測していた異常拡散の現象が報生され、予測の正確さが実証された。 7.カ-ボンのアトム・クラスタ-であるC_<60>およびナノ・チュ-ブといわれるシ-ト状の2次元グラファイトの形成機構について新しいモデルを提案した。 以上の結果、アトム・クラスタ-の物性については今まで筆者が予測していたものが次々と実証され、安定化についてもこれらの考察の結果から新しい発展が期待出来るようになった。
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