研究概要 |
本研究はリチウムイオン導電性固体(Li_<1.3> Al_<0.3> Ti_<1.7> (PO_4)_3)を新たな電解質として用いた電池により,ガス中のSO_2濃度を測定しようとするものである。本測定に使用した電池を次に示す。本研究では,測定走中この固体電 Pt,SO_2+SO_3+O_2/Li_<1.3>Al_<0.3>Ti_<1.7>(PO_4)_3/SO_2'+SO_3'+O_2',PT 解質界面にLi_2SO_4が安定に生成されるこさが基本原理となる。本報では参照極に空気でバランスされた10090ppm SO_2ガスを,測定極には同様に空気バランスされた1016ppm SO_2を5分割して使用した。測定温度領域は773〜933Kである。Fig.1に本研究における起電力の濃度依存性を示す。図中の点線は理論値,実線は各温度における測定値を最小二乗法により求めた直線である。図中には933Kのみの理論値を示したが,本綿究結果はいずれの温度においても良い直線関係が得られ,理論値とも良く一致することが確認された。各濃度における応答速度も約5minと短かく,その再現性も十分であった。ただ,933K,923Kにおける低濃度(202ppm SO_2)では直線性からのズレが見られ,他に行った高温部(973,993K)でも同様に理論値より低い起電力値が確認された。この現象は,界面でのLi活量が固体電解質自身のLi活量値に近づきLi_2SO_4の生成が不安定となったためと考察される。以上のことから,本研究に使用したリチウムイオン導電性固体はβーアルミナより機分低温型のSO_2ガスセンサ-用固体電解質として,その活用が期待される。
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